花火師の1年間と給料そして、おもしろい花火師として。
花火。
夏の夜はやっぱり花火で感動したいですよね。
芥川賞を受賞したピースの又吉直樹さんの『火花』も、一見『花火』に見間違えてしまうくらい夏と言えば花火です。
一瞬の華やかさではありますが、近くで見ると、その音と綺麗さと大きさに心を奪われます。
こんなにも感動させてくれる花火を打ち上げる、花火師といわれる職人さんは夏以外の季節は何をしているのでしょうか?
夏
やっぱり、いちばん忙しいときは夏です。
あちこちで開催される花火大会のために、準備を含み休みなしで動き回ります。暑さに負けない体力と精神力が必要かもしれませんね。
秋
9月半ばを過ぎると、運動会シーズンとなり花火を打ち上げる機会が増えてきます。
打ち上げに際しては、花火師や花火打上げ従事者が関わる必要がありますので、夏の花火大会のような忙しさではないにしても動く必要が出てきます。
秋が過ぎると、来年の夏の花火大会に向けての花火造りが始まります。
冬
空気が乾燥しているので、花火造りにもっとも向いている時期の冬。ですが、乾燥し過ぎると静電気で大爆発という事態にもなりかねない時期でもあります。冬の時期に上がる花火は、花火師が考えた新作に出会えることがタイミングでもあります。
大晦日
カウントダウン花火や新年を祝う花火などを打ち上げます。カウントダウンライブやディズニーランド、遊園地なども派手にやっていますね。
1月~2月はシーズンオフ。この時に、事故の反省会や研修会など安全な花火についての意見交換がなされます。
春
夏の花火大会に向けての準備や打ち合わせや計画・演出などが話し合われます。その内容をもとに、6月中くらいまで花火造りの追い込みになります。梅雨時期は湿気が出るため管理が非常に大変とのこと。この頃に、通産省の立ち入り検査が行われます。
夏本番に向けての追い込み時期。梅雨の湿気と戦いながら本番への準備を万全にしていきます。
そして、また夏
超多忙な休みもほとんどとれない怒涛の日々が、7月中旬から9月半ばまで続きます。花火大会の点火から終了までは、胃が痛くなるほどの緊張のため、花火大会終了後は、魂が抜ける様な安堵感があるようです。
夏の花火シーズンが終わると、安心感と、寂しさがこみ上げてくるようですよ。
花火師になる
花火師になろうとしても、花火製造会社の募集が少ないため、なかなか花火師なれないのが現状です。
花火に携わるには、社団法人日本煙火協会が与える『煙火打揚従事者手帳』を所有する必要があります。この手帳は十分な知識と資格を有するという意味を持っています。
この手帳を持っているものだけが、花火に携われるわけですが、基本的には花火製造従事者に対してのみ与えられるようなので、誰もが簡単に与えられるという訳ではないようです。
また、この手帳を持っているからといって、花火師になれるわけでもなく、最低限必要なものとしての手帳です。あとは、花火の現場経験を積んで、一人前の花火師になっていくことになります。
でも、どうしてもなりたい!ということなら直接アプローチをしてみるのもいいかも。
その気があるなら、将来こんなことがしたい!という目標に向かって頑張れる意気込みを見せる必要があります。
花火師として1人前になるのは10年かかるといわれているので、その10年で目標にどれだけ近づけるかが、頑張りどころかもしれません。
花火製造会社次第によりますが、年収300~500万くらい。あとは、フリーで企画などを手掛けて、ガンガンやっている人は1000万とか。まずは、自分の思い描く花火師のイメージがあるのでしたら、その思いをぶつけてみましょう。
花火プロデューサー
花火がもっと新しくなっていくには、人を魅了する花火の総合企画や演出ができるプロデューサーが必要です。これからの花火師に必要な要素かもしれませんね。
エンターテイメント性があり、かつ伝統を繋いでいく。そして、お客さんを楽しませる。花火づくり、芸術性、営業をこなせる人が花火の総合プロデューサーになれます。
企画や演出などを考え、プレゼンをして伝えるというスタイルになるので、工場に従事せず、フリーで仕事をしている人もいます。
特殊効果の花火専門家
映画、演劇、イベントなどの効果用の花火の専門家。魅せるための花火。効果的な爆発をさせる花火(火薬)など、知識と経験が必要な専門分野です。
アメリカ映画でよく目にしますが、花火(火薬)の方向性として大きな期待が持てる分野ですね。